こんにちは、Kohei(@koheinishino_)です。
私は2020年1月末に、1年10ヶ月勤めたSIerを退職しました。
何となくの退職理由はあったものの半分勢いで退職してしまったので、自己分析を兼ねて自分の退職理由について深堀りし、ブログにまとめたいと思います。
なぜSIerに入社したのか
当時大学3年生だった私は、
「とりあえずIT企業に入っておけば、どの職種にも応用がききそう」
という何とも頭悪そうな基準で会社選びを始めましたw
少しPCが触れるくらいで、情報系学部でもなくプログラミングのプの字も知らない学生でした。
なので、そのときはWeb系という言葉も知らず、とりあえず受かりやすそうだからという理由で大学主催の企業説明会に来ていたIT企業(ほぼSIer)にエントリーしまくってました。
偏差値50くらいだったので、超一流IT企業(楽天、Yahooなど)は選択肢から外してました。
就活自体は売り手市場だったので、受けた会社からはほとんど内定をいただくことができ、その中で人事の人当たりが一番良かった会社に入社しました。
後に退職することになるのですが、とりあえずIT企業に潜り込むという自分の決断はエンジニアという職業、プログラミングという技術に出会うきっかけとなったため今となっては非常に運が良かったなーと思います。
SIerを退職した理由
エンジニアとして働き始め、はじめはプログラミングに苦戦するも徐々にコツを掴んでシステム開発の仕事が楽しいと感じるようになりました。
しかし、プログラミングに集中して自分だけの付加価値を生み出したいと思うあまり、電話の取次や議事録などの誰でもできる事務作業に意味を感じなくなってしまいました。
そんな中、偶然TwitterやYouTubeで自分の外の世界のエンジニアの方々を通して、自分の環境とくらべたときにもっと自分のやりたいことが叶う環境があることを知りました。
そして、前職でそれが叶いにくい理由を以下の3つに大別できました。
- エンジニアとしてスキルアップしづらい
- 残業時間が増えやすい
- 早いうちからマネジメントへの転向を促される
エンジニアとしてスキルアップしづらい
SIerでは、エンジニアとして創意工夫する機会に恵まれていません。
基本的に仕様書通りに実装することが求められ、付加価値を生み出しても評価されないので、作り手としてのインセンティブがありません。
そのため、技術力を高めることの優先順位が低くなってしまいます。
また、特定の顧客と継続的な取引をしており、その顧客ごとにチームを組んでいるため似たようなシステムの開発案件を依頼されることが多いです。
その結果、使う技術が偏りがちでスキルの幅があまり広がりませんでした。
なので、コードが汚くても一人でアプリを開発できるようになるくらいのスキルを習得した段階でエンジニアとしてスキルアップできる環境への転職を決意しました。
残業時間が増えやすい
基本的にお客さんの言うことは絶対なので、疲弊しやすいビジネスモデルだと思います。
私のチームでは長年お取引のある顧客だったため、
「もうちょっと安くできないか?」「もう少し早めに納品できないか?」
といったように、顧客の都合に合わせないといけないことが多かったです。
そうなると、短納期で安価な小規模プロジェクトを複数かけもつこととなり、マルチタスクで残業しないと仕事が終わらないという負のスパイラルが完成します。
私は生産効率を高めてより少ない労働時間で価値を提供できる職場で頑張りたいと思ったので、SIer以外のIT企業へ転職しようと考えました。
早いうちからマネジメントへの転向を促される
プロジェクト管理自体は嫌いではなく、いつか集中してやってみたいと思っているのですが、駆け出しのうちはプログラミングに注力して技術力を高めたいと考えていました。
しかし、会社自体はマネジメントができる人材が不足していることと、プログラマーは外部から雇えることもあって、上司からマネジメントを任されることも多かったです。
私自身が急速にスキルアップしていればよかったのですが、マネジメントするのであればしっかりとスキルが身についた状態でチャレンジしたいという思いがあり、上司の意向と自分の意志にズレがありました。
なので、技術力を高めたいという気持ちを尊重していただけるような環境で働きたいと思いました。
退職理由に当てはまらなかったこと
給与
給与が低くて割に合わないと思うことはあまりなかったです。
実際のところ、1〜2年目の給与は手取りで180,000〜200,000円ほどでした。残業代も働いた時間分いただけます。
地方の配属だったこともあり割と少ないですが、一人暮らしする分には十分でしたw
ただ、自分の市場価値に見合った給与はいただきたいと思っていたので、一度別の会社も経験して自分の市場価値を客観視してみたいと考えてはいました。
人間関係
30名ほどの部署で、非常にホワイトな職場だったと思います。
自分を含め20代は2,3人で、キャリア的に中盤くらいの方が多かったです。
わからないところは優しく教えていただけましたし、残業を強制されることもありませんでした。
2019年は飲み会を全部断ってましたが、直接文句を言われることもなかったですw
欠点を挙げるとするならば、自分のロールモデルになるような先輩がいなかったことです。
技術力の高いエンジニアがそれほど多くなかったので、思い切って環境を変えるほうが自分のキャリアアップにおいて得策ではないかと考えていました。
SIerで得られたスキル
ここまでSIerのデメリットばかり書いてきましたが、全くメリットがなかったわけではありません。
むしろ、最初の駆け出しの環境としてはメリットのほうが多かったかもしれません。
基礎的なプログラミングスキル
前職では部署によって全くプログラミングをやらないところもありましたが、私の所属していた部署では開発を担当することができ、初めてプログラミングと出会えました。
設計手法や自動化ツールなどの技術的な知見を深めることはできませんでしたが、最初から業務でプログラミングを経験できたのは挫折も予防できたのでよかったと思います。
配属先について「プログラミングができる場所」という希望では出していなかったので、今となって非常に運が良かったと思っています。
ビジネスマナー
いわゆるスーツのサラリーマンができて当たり前のビジネスマナーを身につけられました。
具体的には、電話応対、議事録、名刺交換、上座・下座などですね。
敬語やお作法については、知っていて使えるほうがビジネスマンとしては◯だと思うので決してムダではない経験だったと思います。
開発スケジュールの作成・調整・管理ができるスキル
自社開発においてアジャイル開発が主流なのに対し、SIerは主にウォーターフォール開発です。
設計から運用にかけてスケジュールをガチガチに組んで進めていくため、開発スケジュールをコントロールする能力は伸ばすことができたと思います。
まとめ

私がSIerを退職した理由についてまとめてみました。
退職理由は裏を返せば「自分が職場に求めていること」です。
私で言うと下記にような感じになります。
- エンジニアとしてスキルアップできる
- 残業時間が少ない(生産効率を高めることを意識している)
- キャリアプランを自分で決められる
この記事が私と同じようにSIerで葛藤している方の参考になれば幸いです。
自分の価値を存分に発揮できる環境で働けるように行動していきましょう。